手元供養はどう行うの?手元供養の注意点は?

コラム

どうしても大切な誰かを亡くすということは避けられません。必ず、みんな平等に起こりうることです。誰かがなくなったときには「供養」をします。供養は亡くなった人の冥福を祈りお供え物をしたり、祈りを捧げたりすることをいいます。もちろん、葬儀や法事、お墓参りや仏壇に手を合わせることも供養に含まれます。近年、葬儀やお墓のかたちなどが多様化している中、供養についても新しい方法が生まれ、注目されています。中でも、人気があるのは手元供養です。手元供養とはどんな供養でしょうか。また、どうやって手元供養を行えばいいのでしょうか。今回は手元供養について、その方法と注意点についてお話しいたします。

目次

1 手元供養とは?

2 手元供養の方法

    2.1 骨壺を使う方法

    2.2 アクセサリーを使う方法

    2.3 花器やぬいぐるみを使う方法

3 手元供養を行う前に知っておきたい全骨と分骨の違い

 3.1 全骨とは?

    3.2 分骨とは?

    3.3 全骨・分骨時の手続きは?

4 手元供養の注意点・残った遺骨はどうすればいい?

 4.1 お墓に納骨

 4.2 永代供養墓に納骨

 4.3 海や山に散骨

4.4 新しい樹木葬をする

5 手元供養の注意点・どの宗教でもできる?

6 まとめ

1. 手元供養とは?

手元供養とは家や身近なところに遺骨を保管して供養する方法のことをいいます。手元供養が行われ始めたのは2000年代になってからで、まだまだ新しい供養方法です。田舎にあるのでお墓に行けない・お墓がない・マンション暮らしで仏壇を置くスペースがないなどといった環境や家族構成の変化などから、手元供養が広まりました。

手元供養では遺骨をお墓に入れずに自宅で保管する、もしくは身につけられるようにして持ち歩くなどの方法で管理します。自身の身近な場所に置いて管理するので、手元供養を選択する方が増えています。日本では昔から、遺骨は四十九日までに納骨しなければならない・お墓に入れるのが当たり前だと考えられていて、「納骨しなければ成仏できない」などと言われています。しかし、これはただの言い伝えであり、根拠はありません。仏教の考え方からも納骨しなければ成仏できないというわけではないといわれているので、亡くなった方をそばに感じることができる手元供養を行う方が増えています。お墓がないなどの理由から手元供養を行う人も多いですが、故人を偲ぶ気持ちから手元供養を選ぶ方も増えています。毎日の生活野中で故人を思い出すこともできますし、大切な方が亡くなって寂しいなどの自身の気持ちから、手元供養をされる方もいらっしゃいます。

2. 手元供養の方法

手元供養には方法がたくさんあります。何を使って手元供養するかによって価格も変わっています。ここでは手元供養に使われる代表的なアイテムを3つ紹介します。

2.1 骨壺を使う方法

まず紹介するのは骨壺に遺骨や遺灰を納める方法です。お墓に入れる骨壺はサイズが大きいので、同じサイズのものを家に置こうと思うと、場所を取ってしまいます。そのため手元供養ではミニサイズの骨壺に遺骨や遺灰を入れて、自宅に保管します。ミニサイズの骨壺と写真やご位牌を一緒に飾れば、リビングや寝室などのちょっとしたスペースを仏壇の代わりとして利用することもできます。

ミニサイズの骨壺は、さまざまな素材やデザインがあり、バリエーションが豊かです。自身が好きなデザインや故人をイメージしたものなどが見つかると思います。骨壺の素材には、磁気・ガラス・真鍮・ステンレスなどから、金・銀で作られたものなどまであります。骨壺を置く部屋の雰囲気やインテリアなどに合わせて選ぶのもおすすめです。

2.2 アクセサリーを使う方法

自宅だけではなく、外出するときも持ち歩いて、故人を身近に感じられることからアクセサリータイプのものもとても人気があります。常に故人を感じてつながりたい方、アクセサリーをつけるのに抵抗がない方、若い世代におすすめの方法です。遺骨を入れて持ち歩けるようなアクセサリーの種類やデザインは年々増えていて、選択肢も多くなりました。

定番のものは、少量の遺骨をペンダントトップやブレスレットトップに入れて身につけることができるタイプです。ペンダントトップだけではなく、数珠などの一部に遺灰を納められるタイプもあるそうです、特にペンダントタイプは種類が豊富で、ペンダントの種類や素材によっては安くで手に入るものもあります。アクセサリーに抵抗がある方や仕事柄アクセサリーはつけられないという方はキーホルダータイプなどもあります。キーホルダーであれば、バックやスマホ、カギなどにつけて持ち歩くことも可能です。

その他の方法としては遺骨を加工して、合成ダイアモンドにして、アクセサリーとして持ち歩くことができます。

2.3 花器やぬいぐるみを使う方法

最後に紹介するのは花器やぬいぐるみタイプのものに遺骨を入れる方法です。ぬいぐるみや人形タイプのものは、一見遺骨であることがわからないので、人気があります。人が来たときなども、このタイプのものであれば気にならないと思います。かわいらしいので、飾っているだけで明るい気持ちになれるのもぬいぐるみタイプを選ぶメリットの1つです。よく人が遊びに来る・骨壺だと気づかれたくないという方におすすめの方法です。

他の方法に遺骨や遺灰を加工して、陶器のプレートや花瓶を作る方法があります。インテリアとして部屋に飾ることができ、日常生活の中で故人を感じることができます。

3. 手元供養を行う前に知っておきたい、全骨と分骨の違い

手元供養を行うにあたって事前に知っておかなければならないのが、全骨と分骨の違いです。全骨は遺灰の全てを保管することを言います。また、分骨は一部を手元に保管し、残りはお墓や寺院に納骨することをいいます。全骨にするか分骨にするのかをまず考えなければなりません。大切な人の遺骨なので、全てを手元に残して置きたいと考える方も多いですが、ほとんどの方は分骨にして、一部を手元に残しています。

3.1 全部を手元に置く全骨

全骨する場合、考えなければならないのが、収納する場所と方法です。手元供養に使われるのはミニサイズの骨壺だからです。全部を入れることはできません。複数の骨壺に収納するか、粉骨することによって、遺骨の体積を減らすこともできるので、何かしらの工夫が必要です。また、仏壇で全骨を収納できるタイプがあるので、もし、全骨にしたいのであれば、そちらがおすすめです。全骨収まる仏壇には、お墓を購入するよりもリーズナブルで、わざわざお墓参りに行く必要がなくなり、お墓掃除や手入れの必要がなくなるメリットがあります。手元供養は仏壇などがおけない方にも人気がある供養の方法なので、仏壇がおけないから手元供養にしようと考えている方に全骨はおすすめできません。

3.2 一部のみを手元に置く分骨

遺骨の一部を手元に置く分骨を選ぶときは、必ず親族家族で話し合ってから決める必要があります。1人の意見で遺骨を分骨にすることはできません。親族の了承が得られて、初めて、分骨することができ、どれくらいの量を手元に残すのかを決めるのです。どれくらいの量を残せばいいかわからない方のために目安を書くと、ミニサイズの骨壺であれば拳一握り程度、ペンダントトップなどに入れるのであれば1つまみ程度で、十分です。最近では家族で分骨して、少しずつ遺骨を分けて保管したり、若い方なら、兄弟・姉妹でアクセサリーにしたりして持ち歩く方も多いです。

3.2全骨・分骨時の手続きは?

全骨や分骨するときになにか手続きは必要なのでしょうか。通常、墓地や寺院などに遺骨を納める場合は、墓地や寺院に埋葬許可書を出す必要があります。また、お寺をわけて2カ所に納骨したいなど場合は分骨証明書も必要になります。分骨証明書は亡くなった方が住んでいる市区町村ではなく、火葬を行った火葬場がある市区町村で発行してもらえます。葬儀屋さんに前もって分骨すると言っておけば、葬儀屋さんが手続きを行ってくれます。

手元供養を行う場合は、こういった証明書は必要ありません。しかし、いずれ納骨する場合は納骨証明書が必要なので、前もって取得しておくといいでしょう。

4. 手元供養の注意点・残った遺骨はどうすればいい?

遺骨は墓地だけに埋葬することができます。勝手に他のところに埋葬してはいけません。分骨にするとき、残った遺骨はどうすればよいのか知っていますか。ここからは手元供養で分骨した歳に残った遺骨の埋葬方法を紹介します。

4.1 お墓に納骨

通常のようにお墓に納骨します。手元供養される方のほとんどが少し遺骨を手元に置いて、残りはお墓に納骨されます。

4.2 永代供養墓に納骨

永代供養墓は霊園や寺院が代わりに管理してくれるお墓のことを言います。子孫がお墓を継ぐ必要もありません。身寄りがない・親族がいない方が利用することが多いのです。お墓の手入れや掃除ができなくて手元供養を選ばれる方も多いので、そういった方にも永代供養墓がおすすめです。

4.3 海や山に散骨

散骨は遺骨を海や山にまく方法です。遺骨を2mm以下にしなければならないとルールがあります。散骨は石原慎太郎さんが海に散骨されたので、少し有名になりました。散骨も人気の供養の方法です。散骨は市町村の条例で禁止されているところもあるので、事前に散骨できるかを確認しなければなりません。

4.4 新しい樹木葬をする

最近新たに樹木葬という供養の仕方が人気です。樹木をシンボルとして根元に遺骨を埋葬する方法です。樹木葬のほとんど永代供養で、墓地や土地が必要ないので、コストを抑えることができる方法です。